子どもとその家族を尊重し、評価し、歓迎する

子どもとその家族を尊重し、評価し、歓迎する

 

文化および宗教

英国は多文化社会です。しかし、キリスト教が伝統的宗教であり、英語が主要言語であるとみなされる一方で、二カ国語または多言語を話す子ども、また他の宗教に沿って、または全く宗教を持たずに育つ子どもも多数存在しています。

子どもが育つ世帯や家族構成の種類によって、文化の違いがあります。例えば、エホバの証人の家庭の子どもは、誕生日やクリスマス、イースターのお祝いをしません。インド系、バングラデシュ系、パキスタン系の家庭の10分の1は、子ども、親、祖父母といった3世代以上が一緒に住む拡大家族で構成されています。文化の違いは、意思の疎通やコミュニケーションにも影響することがあります。というのも、多くのジェスチャーやアイコンタクトの使用は普遍的な意味を持つものではなく、誤解を受ける場合があるからです。大きな類似点もあるとはいえ、育児は文化の違いに影響を受ける可能性があるのです。
 

考察
1980年代後半にBeatrice WhitingとCarolyn Edwardsがアメリカで行った研究で、アメリカの都会、ケニアやリベリアの農村地帯といったさまざまな社会における子育ての違いが比較されました。研究によれば、経済、社会、政治情勢に非常に大きな違いがあるにもかかわらず、全体にわたって多数の類似点が存在することが分かりました。乳児および幼児について、普遍的に重点が置かれるのは、注意して支援しながら決まった世話を行うことでした。
子どもが4歳に達するまでには、大部分の保護者は不適切な行動を制御し、訂正し、管理することに焦点を移しました。最終的に、子どもが就学年齢に達すると、属するグループにおいて評価される技能や社会的行動について、子どもを訓練することに関心を持つようになっていきました。研究は、子どもの成長と発達の過程での要求は普遍的なものであるため、世界中の保護者は多くの点で互いに似ていると結論づけたのです。

 

家庭の違い

2つの別々の家庭で生活し、週末や学校が休みの間に1つの家庭からもう1つに移動している子どももいることに留意することは重要なことです。多くの子どもはこの状況に対処できるが、できない子どももいます。また、その家族の一員ではなくなることや、家族の死、弟や妹の誕生、他の地域や国への転居など、世帯や家族構成の変化は、子どもと家族に混乱をもたらす場合があることも、心に留めることが重要となります。

ここでも、保育実践者は憶測をせず、他の家庭の慣行について事実を知り、尊重するようあらゆる努力をしなければなりません。また、子どもは自宅や教育・保育環境の外で、数多くの豊かな経験を獲得していきます。重要なことは、いかなる家庭の子どもも衣食住が満たされ、愛されていること、また自分を守ってくれる温かい環境で、学習し発達する機会があることなのです。

中立的であることや、保護者の行動をどこか非難しているような印象を与えないようにすることは、不可欠です。しかし、保護者を支援するのは時として精神的に非常に大変であり、大いに重圧を感じる場合もあることを忘れてはなりません。他人の問題に個人的に関わることは、決して良い考えとはいえません。

子どもに関わる業務に携わる者は皆、子どもの生活において最も重要な人物は保護者であることを認識しなければならず、すべての保育実践者は、この考えを保護者と子どもの双方に対して絶えず再確認すべきです。

子育てにおける価値観と実践は、文化や社会集団、また家庭によりさまざまです。子どもを育てる上で、「正しい」やり方は1つだけではありません。保護者は、自分の文化、伝統、信念、そして自分が受けた躾に応じて、方法や実践を選択するのです。

保護者が子どもに望むことに対する考えと、保育者自身の考えが異なる場合もあり、この違いについては話し合いが必要になります。保護者に対して、保護者の要望に添って子どもを保育するよう最善を尽くすことを明確にする必要があります。しかし、他の担当者とジョブシェアリングを行うナニーの場合やチャイルドマインダーの場合、複数の家庭の子どもの保育にあたることもあります。そのような場合、妥協と交渉が必要になってくるでしょう。

ナニーの声
「私はナニーですが、保護者が子育てに求めるやり方と、自分が育ってきたやり方は大きく異なります。ですが、私たちは保護者の信条について大いに話し合い、私は保護者がどのように育ってきているかを理解できています。物事への対処で迷いがあれば、保護者と話します。自分が保護者と同じ一貫したやり方をすることは、私にとって本当に重要です。結局のところ、私たちは皆、子どもにとって最善のことを求めているのです。」

ケーススタディー:菜食主義を守る
ジェニーとライアンのナニーであるキャシーは、保護者の希望に沿って子どもに菜食主義の食事を用意しています。ライアンは、放課後に友だちの家に行き、菜食主義ではないおやつを友だちの保護者から出されることがあります。ライアンの両親は、友だちの保護者と話してライアンが菜食主義を守るようキャシーに依頼しました。

  • キャシーはどのようにこの状況に対処すべきでしょうか。
  • ライアンと友人の家族に、どのように言えばいいでしょうか。

 

適切な実践のキーポイント
他者を尊重し、評価する

  • 保護者がどのように呼ばれたいと考えているかを確認する。子どもと保護者の苗字が同じであると思い込まない。名前は重要である。
  • 保護者の考えが保育者の考えと違っていても、それは誤りではない。保護者のすべての考えと希望を尊重する。
  • 子どもが行ったことについて前向きに保護者に意見を述べ、子どもの生活において保護者が中心であるという考えを強固にする。
  • 子どもを保育者に預けることにかなりうしろめたさを感じる保護者もいることを、忍耐強く、そして機転と理解をもって認める。
  • 未熟である、あるいは情報不足であると、保護者に感じさせてはならない。子どもが行っていたことを保護者に伝え、適切な場合は、その日の活動案を共有する。
  • 子どもの自宅で保育を行っていない場合、保育連絡帳を作成することを検討する。保護者にも記入を促す。例えば子どもが帰宅後に行ったことや、睡眠の状況について記入してもらう。
  • あらゆる点で「専門家」であると思われないように気をつける。経験の浅い保護者が保育者に助言を求め、自分がその回答が分からない場合、正直にそのことを伝える。ただし、回答を見いだそうとしてみること。
  • 子どもの要求が最優先であることに留意すること。

 

確認
保護者との連携についての調査や研究は多数存在します。インターネットや専門誌、関連する教材を見て、保護者との関係についての知識を広げましょう。

 

評価への課題

評価基準3.1

保育サービスのあらゆる面で保護者と連携することの重要性を説明する(包括的実践)。
【保育・教育顕彰評議会タスク6】

あなたはタスク2で既に機会均等の方針と手順を記載し、自分の実践を包括的なものとする方法について考察しています。すべての子どもがあなたの保育環境に歓迎され、評価されていることを保護者に説明する方法について検討しましょう。特定のケーススタディー(守秘義務に従った上で)やあなたが行っていることの実例を使用したいと考えるかもしれない。こうした連携の重要性を説明するレポートの作成を決める場合もあるでしょう。

保育・教育顕彰評議会タスクに従わない場合、この活動も関連活動となるでしょう。

 

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