保護者との連携を確立し、維持する

保護者との連携を確立し、維持する方法

 

初めての顔合わせ

保護者との最初の対面によって、その後の保護者との関係の雰囲気が決まってきます。第一印象は非常に重要であり、プロらしく、かつ温かく迎える雰囲気を持たなければなりません。決して、電話口や校庭で保護者と慌ただしく言葉を交わしただけで、子どもの保育を引き受けるようなことがあってはなりません。

適切な実践のキーポイント
第一印象

  • チャイルドマインダーの場合 - 子どもを自宅で預かる前に、必ず、保護者と子どもを自宅に招くのが好ましい実践である。
  • ナニーの場合 - できれば子どもが在宅している時に、子どもの自宅を訪問する。初顔合わせの時間を明確に決め、保護者と子どもとの時間が取れるように、自分のスケジュールを調整できるようにする。
  • 必要な場合、保育者自身の子どもおよび他の家族を含め、保育する他の子どもに、保護者が自宅を訪れることを伝えるのを忘れないこと。

 

考察
保護者との初顔合わせでは、親しみやすい雰囲気と同時に、高い職業意識を持ち、実務的な雰囲気も見せようと思うでしょう。

  • 保護者に紅茶やコーヒーを出しますか。
  • 子どものそばで熱い飲み物を出す場合に予想される、健康上や安全上の影響を考慮しましょう。

 

ケーススタディー:情報共有
サラは2歳4カ月の女の子と6歳8カ月の男の子の保育にあたるナニーです。保護者は2人とも、常勤でシフト勤務のある医師です。サラはこの一家の自宅に住み込んでいます。
サラは、保護者との情報の共有と交換が重要だと気づいていますが、2人は子どもが寝ている間に出勤したり、帰宅したりすることもあります。保護者とサラは協力して、直接会えない時に情報を伝える定期的な機会を作り出しました。全員が携帯電話を持っているので、ショートメールが便利だと分かりました。サラと年上の男の子は、その子が寝る前に家族のEメールを確認し、両親にメッセージを送ります。重要なメッセージについては、冷蔵庫のドアに付箋を貼ることも決めました。

  • サラと保護者はどのようにすれば、2歳4か月の女の子が情報交換から「仲間はずれ」にされないようにできるでしょうか。
  • サラと保護者が重要な情報を伝えるために使用できる方法は、他にもありますか。

 
初顔合わせは、最初はぎこちない場合もあるので、天気や、その日のニュースのことなど、日常的な話から始めるとよいでしょう。これにより、人は安心し、信頼感が生まれます。
子どもが使用する予定の部屋を保護者に見せます。また子どもが庭で遊ぶ予定があれば、庭も忘れずに見せなければなりません。日中にどのような活動を行う予定であるかを説明します。この時、保護者と子どもにどのような活動が好きか、また得意不得意について、尋ねておくとよいでしょう。
証明書、登録書類、保険関係書類などの業務文書を保護者に提示します。子どもに関する特定の情報を記入してもらう必要性を説明し、保育者の情報シートまたは新規登録者用書類一式を渡します。この時点で、契約の重要性について説明し、いつ契約書に記入し、署名してもらえるかを聞いておきたいと思うかもしれませんが、保護者としては、他の保育者候補を訪問する時間も必要でしょう。
 

新規の保護者との顔合わせにおける心構え

子どもを置いていくことに不安と、時にはうしろめたさを感じている保護者への対処が必要であると同時に、特にチャイルドマインダーとして新人であれば、保育者自身も何らかの感情を抱くでしょう。

  • 保育する他の子どもや、保育者自身の子どもが気がかりである。
  • 新しく来る子どもが他の子どもに与える影響を考える必要がある。
  • 新人の家庭的保育者として、保育者や保育者の自宅を見知らぬ人はどう思うかが心配かもしれない。
  • 新しい子どもを好きになれないかもしれないという心配さえするかもしれない。

こうした心配は、すべて至って普通のことですが、自分の不安を認識し、それに対処できれば、最終的により職業意識の高く、より質の高い在宅保育サービスを提供することができます。保護者から学ぶことがあることに留意しましょう。すべての保護者が、それぞれのやり方で子どもを育てています。保育者は、それぞれの保護者を個人として尊重し、保護者のやり方が自分のやり方と違うとしても、それもまた認められた、有効なやり方だと認識する必要があります。
新しい考え方や、物事を行うさまざまなやり方を受け入れる気持ちを持つことが重要です。

考察
子どもに関して、保護者に尋ねる必要がある質問について考えましょう。重要なことを忘れないよう、自分の質問を書き留めておきましょう。

保護者からの回答も書き留めておけば、誤解を避けるのに役立ちます。

 
登録チャイルドマインダーの場合、保育する他の子どもや自宅に住む他の人たちに、新しく来た子どもをどのように紹介するかについても考慮ておく必要があります。その際必ず保護者も紹介すること。あらかじめ保護者と子どもに、どのように紹介されたいかを尋ねておきます。皆が、下の名前で呼んでほしいと思っていると考えてはなりません。
 

適切な実践のキーポイント
紹介する際の注意点。

  • 言葉を急がず、焦らない。
  • 子どもが紹介された人の名前を聞き取り、名前について考え、場合によっては復唱する時間を取ってから、次の人に移る。
  • 一貫性を持って紹介を行う。例えば、ある子どもに「おはよう」と呼びかけ、別の子どもには「やあ」と言い、自分のパートナーには「おはようございます」と言わせることがないようにする。

 

保護者との関係を深める

いかなる関係を深める場合も、2つの特徴があります。

  • 情報交換
  • 双方向コミュニケーション

保護者との関係を維持する上では、いずれも同じように重要となります。問題が発生するのは、保護者かチャイルドマインダーのいずれかが、情報を交換しなかったか、効果的なコミュニケーションを取らなかった場合に多く見受けられます。

重要用語
コミュニケーション - 考えのやり取り、個人間の接触、相談および意思の疎通

 

情報交換

定期的な情報交換は、保育者と保護者の関係のあらゆる面で不可欠となります。保護者と関係を築く早い段階で、いつ子どもについての情報を共有するのがよいか、またどのような手段を利用するかについて意見をまとめておきます。保護者や保育者が皆、1日の終わりに話す時間を取れるわけではなく、またEメールや電話、携帯メールの方がよいと考える場合もあるでしょう。しかし、心配事や特別な成果など、重要なことを話し合いたい場合は、果たして携帯メールが適切なのか、自問するかもしれません。
時間に追われて情報交換をしていると感じたら、しっかりと話し合う時間を設けることを考える必要もあります。そのような話し合いは、守秘義務を果たすため、他の子どもや保護者の耳に入らないようにしましょう。

多くの家庭的保育者は、保護者が子どものお迎えに来た時に、子どもが日中何をしていたかについて、口頭で簡単に説明します。これは、乳児や年少の子どもの保護者にとって特に役立ちます。その日、子どもが何を食べ、いつ休憩し、眠ったか、汚れたおむつは何枚か、トイレトレーニングはどの程度うまくいったか、という情報を得られるからです。
子どもが楽しんだことや、特別な、または普通ではない出来事や発達についての情報を分かち合うことができます。子どもが何かに動転したら、保護者に伝え、保育者と保護者の双方から子どもを安心させる必要があるのです。同様に、わくわくすることが起こったら、子どもの興奮と楽しみを保育者と保護者が分かち合うこともできるのです。

連絡帳に情報を記録して、子どもに持ち帰らせる保育者もいるでしょう。これは、保護者と子ども、保育者に共通の情報を提供し、良い関係を築き、深めるのに役立ちます。保護者の中には、連絡帳をチャイルドマインダーとの情報共有に使用する人もいれば、そうでない人もいます。だからといって、保育者が連絡帳の記入を止めるべきだということではありません。
 

双方向コミュニケーション

どのような関係においても、成功の鍵はコミュニケーションですが、必ずしも口頭で行われるものではありません。電子的なやり取りや書面、またはその他の適切な形式も考えられます。コミュニケーションとは、送り手と受け手が存在する双方向のプロセスなのです。

例えば、保育者が子どもと会話しているとします。

子ども(送り手) - 「一緒にこの本を読んでくれる?」
保育者(受け手) - 「もちろんいいよ。このクッションに一緒に座ろう。」

 
あるいは

保護者からの携帯メール(送り手) - 「トビーは今朝ちょっと私にべったりでしたけど、大丈夫でしたか?」
保育者(受け手) - 「ええ、大丈夫ですよ。今は積み木で遊んでいます。」

 

ケーススタディー:ベスの連絡帳
ベスは保育するそれぞれの子どもに連絡帳を用意し、子どもの家庭と彼女の間でやり取りしています。記入する内容は子どもによって大きく異なりますが、彼女は必ず授乳や食事、睡眠と休憩、おむつ(乳児の場合)および、その子どもの傾向についての全体的なコメントを盛り込むようにしています。
連絡帳に返事を書く保護者はそれほど多くなく、ベスは時間を無駄にしているのかと思い始めました。しかし保護者に連絡帳についての意見を求めると、全員がこの情報交換に大いに感謝し、評価していることがわかりました。

  • 自分ならどのように保護者と情報を共有しますか。
  • それは効果的ですか。または、他に情報交換の方法がありますか。
重要用語
評価される - 重要と思われる、認められる。

 
コミュニケーションには、双方の時間と努力が必要となります。コミュニケーション不足は、誤解や誤報につながる場合があります。コミュニケーションについて学べばより効果的なコミュニケーションに役立つ技能があります。これは保護者とのコミュニケーションだけでなく、保育する子ども、さらには公私に関わらず自分が接するすべての人との効果的なコミュニケーションに役立つものとなります。

コミュニケーションには、言葉にるものとそうでないものとがあります。

言葉によるコミュニケーション

  • 電話での会話や対面でのやり取りを含む話し言葉
  • 口調

言葉によらないコミュニケーション

  • アイコンタクト
  • 指さしなどのジェスチャー
  • ボディ・ランゲージ
  • 接触
  • Eメールや携帯メールを含む書き言葉
  • 写真
  • マーク

私たちは毎日、こうしたコミュニケーション形式の大部分を使用しています。例えば、優しく背中をなで、優しい口調で乳児をなだめたり、うまく子どもが行動するように口調を使い分けたり、保護者に伝えることを忘れないように付箋にメモしたりすることなどがそれに当てはまります。

もう1つ頭に入れておくべきことは、話し言葉は書き言葉ほど正確ではないということです。スピーチや発表をする時などに、すべてが正確に網羅され、漏れがないように、言うことを書き留めておくことはよくあります。特定の問題や重要な問題について、保護者や他の専門家に話をする時は、あらかじめメモを書いておくとよいでしょう。こうすれば、言いたいことはすべて覚えていて、自分が言うことは正確で事実に基づいていると自信を持てるはずです。

考察
効果的なコミュニケーションは、基礎重要技能の1つです。学習を続け、子ども・青少年事業従事者レベル3ディプロマ(免状)のその他のユニットに進む場合、コミュニケーションについてさらに学習することになるでしょう。

 

日課における保護者との合意

日課はその長さや対象にかかわらず、1人1人の必要性に対応するように計画されるべきでしょう。保育の日課は、可能な限り保護者が作り上げたものと同じパターンに従い、保育に継続性を持たせるように計画されなければなりません。これにより、子どもは保育中に、気持ちの上でより安全で安心できると感じることができるのです。

すべての日課の計画について保護者と話し合い、子どもと家庭の双方のそれぞれの要求が満たされることが重要です。子どもがそれぞれ異なるように、保護者もそれぞれ異なるので、保育を開始する前に保護者と保育の日課について話し合い、誤解がないようにすることが重要となります。
保育中に子どもが何をしているかを保護者がある程度分かり、また保育者と連絡を取る必要が生じた場合に、その時点で保育者がどこにいるのか分かるように、1日のスケジュールや日課についても保護者と話し合うべきでしょう。

通常、日課はある特定の年齢群を念頭に置いて計画されます。例えば、乳児への授乳やトイレトレーニングなどです。しかし、個人差に対応しない日課を実行しようとすれば、満足のいくものとは程遠い状況になるでしょう。体系化された方法に従って子どもに授乳してほしいと考える保護者もいれば、子どもがほしがる時に授乳してほしいと思う保護者もいるのです。

日課は、保育や発達のある側面に焦点を当てたものとなる場合もあります。例えば哺乳びんの消毒や、体操クラブに時間どおりに行けるように保育者と子どもが取り決めをすることなどがこれに該当します。

食事の時間に与える食品については、一部の保護者に対しては気をつけなければなりません。子どもにアレルギーや食事上の特定の要求がある場合のほか、有機食品だけ、菜食だけ、あるいは文化や宗教上適切な食事だけを与えてほしいと、保護者が考えている場合もあるからです。(宗教別にみる食習慣についてはこちらを参照のこと。

使い捨てのおむつを使用してほしいという保護者もいれば、洗って繰り返し使えるおむつの方がよいと考える保護者もおり、またおむつ交換に特別なやり方や場所の希望がある保護者もいるかもしれません。その場合、保護者にお手本を見せてもらうようにするとよいでしょう。

中には、休息と睡眠の日課を確立しており、それに従ってほしいと考えていたり、子どもは学校から帰ったら手を洗い、衣服を着替え、おやつを取り、静かな時間を過ごした後、宿題を済ませて夕食を取るといった、行動パターンを決めている保護者もいるかもしれません。
 

適切な実践のキーポイント
日課―乳児や子どもの保育と福祉にとって重要な日課には、次の事項がある。

  • 肌、歯、髪の手入れ
  • おむつ交換、トイレでの排泄
  • 授乳および食事。離乳も含む。
  • 食器の洗浄/消毒
  • 感染予防
  • 睡眠および休息、落ち着いて過ごすこと
  • 手洗い、水浴び
  • 個人衛生

 
日課を計画する際は、可能な範囲で最適な実践に従うことが非常に重要となります。

保育の日課を作り上げる上で保護者と確実に連携すれば、子どもの要求を満たすことができ、また誤解を避けることができるでしょう。子どもに医学的条件やアレルギー、宗教や文化に関係する特定の要求がある場合、このことは特に重要になります。特に子どもの自宅以外の場所で保育にあたる場合、保護者と同じ日課に従うことで、子どもは保育者による保育になじむことができるのです。
 

確認
あなたの実践に少しでも懸念があれば、どのようにすればあなたの日課を改善できるかを確認しましょう。地域の役所や保健所にあるリーフレット、専門誌や教材の記事、インターネット上の情報や、医療従事者と話すことなどから、多くの情報源が利用できます。

 

考察
保護者の保育の日課が、適切な専門的実践と合致しない場合は、どうすればいいでしょうか。まず、非常に重要なこととして、保護者がなぜ保育者にそのやり方で、その時に行ってほしいのかについて、保護者と話す必要があるでしょう。例えば、もう1人子どもが生まれるので、おむつの子どもが2人になってほしくないという理由で、早めにトイレトレーニングを始めてほしいと考えているかもしれません。また、子どもが夜早く寝られるように、日中の休憩や睡眠を止めてほしいと依頼されるかもしれません。
保護者の希望は考慮しなければならず、こうした状況に対処していくのは難しいですが、子どもの要求と福祉が最優先であることに留意しなければなりません。このような状況では、保護者との良好なコミュニケーションと前向きな関係が極めて重要で、誤解を避けることができます。

 

評価への課題

評価基準3.2

保護者とどのようにして連携を築き、維持するかを述べる。
【保育・教育顕彰評議会タスク6】

許可書では、保護者との関係を築く方法を説明しなければならなりません。これには、初顔合わせで共有しようと考えている情報が含まれます。保育者の日課の中でどのように子どもの要求に応え、また子どもが成長し、発達するにつれてどのように日課を変更するかを説明しなければなりません。

許可書の代わりに、保護者との関係を築き、維持する方法について、評価者と専門的な議論を行うこともできます。手始めに新規登録者用書類一式を使用したり、保護者と連携する上での方針書と手順書の使用も可能です。

 

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