家庭的保育サービスを行うにあたり、サポートや情報をどこで得るのかを把握する

協力者および支援機関

 

職業意識の高さにかかわらず、保育者は皆、支援や情報を必要とするときがあります。保育は極めてハードな仕事である上、自営業は非常に孤立しがちです。
特に大人とのつきあいは極めて限定されたものとなります。その一方で、子どもやその家族に関することすべてに守秘義務があることを忘れてはならず、そうした情報について他の人と話し合うことはできないのです。

 

地域のチャイルドマインダーグループ

英国では多くのチャイルドマインダーは、保育する子どもに社会交流の機会を提供することによって保育者の実践の質を向上させることができるよう、地域団体を設立しています。こうした団体は、人数によって互いの在宅保育環境に集まることもあれば、スポーツセンターなど地域の公共施設に集まることもあります。
こうした団体は非常に楽しく、また支援を得る有益な場になることがあります。
保育に関する課題は同業者にしか本当に理解してもらえないことが多々あります。地域団体はまた、情報やアイデアを共有したり、新しい活動のアイデアを生み出したりする機会を提供する場でもあります。ナニーが自分自身と子どもの支援や社会活動のために団体を立ち上げている地域も多区存在しています。

 

ネットワークコーディネーター

チャイルドマインディングネットワークは全国的に拡大しつつあり、貴重な情報と支援が提供されることもあります。各ネットワークには、居住地域でどのような研修やコースが実施されるかを教えてくれるコーディネーターがいるので、積極的に活用すべきでしょう。

 

全英チャイルドマインダー協会

全英チャイルドマインダー協会は、イングランドとウェールズで唯一のチャイルドマインダーをはじめとする在宅保育者のための組織です。同協会の任務はチャイルドマインディングの質の向上、在宅保育者、子ども、および保護者の地位と状況の改善に努めることです。
全英チャイルドマインダー協会には発達担当者と支援スタッフの全国ネットワークがあります。また保育、特に家庭的保育に関する課題についての政府機関との連携でも著しい成果を上げています。
全英チャイルドマインダー協会に所属する保育実践者には以下を含む豊富な情報が提供されます。

  • 隔月誌 “Who Minds?”
  • 無料法律相談
  • 保険の特別提供
  • 研修の機会
  • 会計帳簿など、便利な刊行物や文房具を購入する機会

またウェブサイトに「My NCMA」のコーナーがあり、会員はチャイルドマインディングの生活に役立つ幅広い情報を閲覧することもできます。
 
日本ではチャイルドマインダー・キャリアセンターに登録するチャイルドマインダーに対して、以下のようなサポートを行っています。

  • 季刊誌「Growth」の配布
  • 自治体対応相談
  • 賠償責任保健、傷害保険やイベント保険などの特別提供
  • ブラッシュアップ研修など、スキルアップのための研修参加機会
  • 看板の貸し出しや帳票類の会員価格での提供

提供されているサービスの内容については、本サイトの活用法ページにてご確認いただけます。
 

地方自治体

英国ではすべての地方自治体に、子ども・青少年事業従事者人材開発教育チームが設置されています。こうしたチームの多くは、在宅保育者を専門に担当する人材開発担当職員を配置しています。
この職員は、在宅保育者同士を引き合わせる役割を果たすと同時に、地域で実施される講座に関する情報の提供を行っています。
人材開発担当職員は、極めて役に立つ支援や手助けを提供することが可能です。保育者を、児童保護担当職員など、他の地方自治体職員や社会福祉担当職員に紹介することも多々あります。

日本では自治体ごとに子ども支援課や子育て支援課といった課が設置されており、地域の保育や子育てに関する相談窓口となっているほか、保育施設の届出窓口や育成指導なども行っています。

 

訪問保健師 (※日本では行政保健師)

保育者自身と保育する子どものいずれの訪問保健師も貴重な支援と援助を提供することができます。
訪問保健師は子どもの成長と発達について、子どもの健康調査や発達検査の実施を通じて得た深い知識を持っています。子どもの成長と発達に問題があると思われる場合、訪問保健師は保育者と保護者を特に医療分野の専門家に紹介することも可能です。

 

有資格の教師

公認のネットワーク(日本におけるキャリアセンター)に所属する登録チャイルドマインダーの中には、認定を受けて幼児教育の資金援助を受給できるようになる人が次第に増えています。これは、イングランドでは就学前教育基礎段階(ウェールズでは基礎段階)の一環として行われる3~5歳児向け活動を提供しなければならないことを意味しています。
教師はこうしたサービスを提供するチャイルドマインダーにとって、貴重な支援と助言を提供することができ、アイデアの交換や活動を行う中で良好な職業上の関係を築くこともできます。
教師は子どもの学習障害や感情および行動の問題について支援することも可能です。在宅保育環境や自宅においてこうした問題を抱える子どもは、学校でも同様の問題を示すことが多く、保育者は教師と協力して子どもを支援し、できることなら障害や問題に適切に対処しなければなりなりません。

 

家族と親戚

保育事業を始める際には、事前に自分の家族、パートナー、子ども、および年配の親戚など、影響を受ける可能性のあるすべての人と話し合っておくべきです。そして可能であれば彼らに事業に対して協力を得ることが望ましいでしょう。

フルタイムで仕事をしながら、家事もこなさなければならない人は皆、時に自分に求められるすべての要求に応えることは難しい、と感じることがあります。
家庭と仕事とのバランスを図ることは、ときに難しい場合があります。自営業者の多くは自宅に職場を構えていますが、仕事が家族の生活を侵害することのないよう、自宅とは独立した仕事場を設けています。しかし自宅で保育事業を行うチャイルドマインダーの場合はそうはいきません。
自宅には他の子どももパートナーもおり、家族の日課が変わるかもしれません。仕事に時間を費やすということは、家族との時間が減るということです。事業を始める前に、こうした点についてもじっくり考え、家族の理解を得ておく必要があります。

家族から保育事業に対しての理解を得ることができれば、家族からの支援も期待できます。たとえば毎週の家族の買い物をしたり、また多くの子どもが集まるようになれば家具などの修理なども考えられ、日曜大工などの家事をこれまで以上に請け負ってくれるようになるかもしれません。

 

ケーススタディ:協力的な家族
アメーラは息子が生まれた際に、働いていた職場を退職しました。そしてそれから1年、彼女は登録チャイルドマインダーになることを決心しました。
彼女にはもう1人学校に通う子どもがおり、夫とその両親と同居しています。自宅には広い裏庭があり、自宅と裏庭の間には温室があります。
アメーラは保育事業でこの温室をプレイルームとして利用し、広いキッチンを使って子どもに食事を提供することを計画しました。1階にはトイレが別になったバスルームもあります。

計画当初、義理の両親は家中が他人の子どもで一杯になって騒がしく、プライバシーがなくなることに難色を示しました。そこでアメーラは、子どもが家族の居間や2階の部屋にも近づかないようにすることを提案しました。その結果義理の両親は、それならばまずは6カ月の間様子を見てみよう、ということでひとまずは理解を得ることができました。

そんな折、アメーラは事前登録のミーティングである経験豊富なチャイルドマインダーに出会うことができました。アメーラがそのマインダーに自分の抱く懸念を説明すると彼女は、それならば一度、そのご両親を彼女の家に招いて、どのように保育事業を行っているかを見学してもらえば、二人の不安を和らげることができるかもしれない、と提案してくれました。

こうしてアメーラと義理の両親はそのチャイルドマインダーの自宅を訪れ、保育事業を行いながら同時に自宅にプライベートな場所を確保することができる、ということを自分たちの目で確認することができたのです。

登録してから2~3週間経った頃、アメーラは子どもたちの帰り際に義理の父が顔を出し、決まって子どもの名前を呼んでさよならを言っているのに気づきました。義理の母は、「子どもたちにも分けてあげられるように」と砂糖菓子を少し余分に作るようになりました。

経験豊かなチャイルドマインダーが支援してくれたおかげもあり、現在アメーラは家族全員の支援を得ていることを確信しています。

  • このケーススタディーから何を学ぶことができますか。
  • あなたの事業を家族全員に支援してもらうにはどうすればいいですか。

 

評価への課題

評価基準1.4~1.6

自らの家庭的保育サービスのマーケティング計画を策定する。
自らの家庭的保育サービスの収支計画を示す。
家庭的保育サービスを開始し、運営するための支援の出所と情報源を明確にする。
【保育・教育顕彰評議会のタスク4】

以下に関する情報を含む事業計画書を策定する。

  • マーケティング
  • 収支計画
  • 家庭的保育事業の開始における運営のための協力者、支援機関および情報源
  • それをどのような点であなたの方針と手順の基盤とするか。実践の中心とするのはなぜか。

事業計画は独自のものにする。以下について明確に概説しなければならない。

  • 提供するサービスの販促や宣伝をどのような手段で行う予定であるか。使用する予定の名刺、フライヤー、宣伝のコピーを添付するのも良い案である。販促と宣伝を行う場所のリストを作成する。
  • 開業資金。資金調達先を明記してリストアップする。
  • 実務における銀行取引に関してどのような取り決めを行っているか。専用口座の開設、インターネットバンキングやテレフォンバンキングなどの用意、開設は行っているか。
  • 保育料の設定。時間単位・セッション単位(午前、午後など)・学校の始業前と放課後・日単位など、想定するケースにおいての設定が必要である。
  • 保育料の支払い方法。保護者への請求は週単位か、あるいは月単位か。自動引き落としによる口座振替か。支払いはは前払いか、後払いか。
  • 個人的な支援とビジネス上の支援をどこから得るか。またそうしたサービスをどのようにして利用するか。

マーケティング計画は、このユニットを保育・教育顕彰評議会に登録しているかどうかに関係なく使用することができます。会計記録の管理方法と銀行取引に関する取り決めを、財務計画を示す証拠とすることができます。開業に役立てるために有効な協力者や支援機関、および情報源のリストを作成してもよいでしょう。

 

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