子どもの個人としての扱い方

子どもの個人としての扱い方

 
イギリスでは家庭的保育を提供する人にとって、児童法(Children Act 2004)とその指針を遵守することは登録要件です。同法には、「あらゆる子どもを個人として、また同一の関心をもって扱う」という要件があり、国連子どもの権利条約の第2、12、および13条と関連しています。

子どもを個人として扱うことは、どの子どもも同様に扱うことと同義ではありません。子どもは皆それぞれ異なるのでそれは不可能です。重要なことは、保育実践者が公正な方法ですべての子どもとその家族を尊重し対応する方法を理解し、差別することなく包括的な実践を行うことなのです。

私たちは誰もが異なる方法で学ぶことを知っています。これは私たちの個性の特徴であり、そのため子どもは様々な方法で遊びを通して学んでいくのです。学ぶ方法は次のような多くのことに影響を受けます。

  • 遊びの機会に、その子どもや青少年が一緒にいる人物
  • その子どもの周囲にいる子どもや大人の数
  • その子どもがいる場所
  • その子どもが利用できる設備は何か、またその設備を1人で利用できるかどうか。

子どもは、発達の様々な時期の異なる状況において、様々な学習方法を用いることができ、あるいは子どもは1度に複数の学習方法を組み合わせることもあります。詳細は以下の表8.1を確認すること。

重要用語
学習方法 - 情報の処理方法。大半の人には好みの学習方法がある。

 
子どもの個性を認識することは、包括的な実践の基本であり、これはあなたが子どもとその家族と共にするあらゆる仕事を支えるべきものです。受け入れは公平な実践と組み合わせて用いられることが多く、また在宅保育の場合、誰もが歓迎され、尊重される環境を意味すべきものです。

すべての子どもは独自の存在であり、異なる人格、ニーズ、興味、能力を持っています。子どもはありのままの自分に対して評価され、尊重されるべきです。評価されていると感じている子どもは、あなたと一緒にいることを楽しく思うでしょうし、あなたに前向きに対応するでしょう。
家庭的保育者は常に、子どもの個別のニーズを満たすように努め、信頼や尊重に基づいて子どもと前向きな関係を発展させるとよいでしょう。
 

表8.1:様々な学習方法の特徴

学習方法 特徴
聴覚による(聞くことと関係がある) 話し手と聞き手
話し手は情報を聞かなくてはならない。
聞き手は情報を維持し思い出さなければならない。
話し手も聞き手も、

  • 話し言葉を好む。
  • 様々な声が好きである。
  • 説明を楽しむ。
  • 他人とのコミュニケーションを楽しむ。
  • 読んでいる場合には、読んでいることを心の中で聞いていることが多い。
運動感覚による(五感との関連における空間認識と関係がある) 自分の置かれた状況に関連して位置や動きを感じ取る必要がある。
学ぶために何かに触れ、調べ、感じるのが好きで、その必要がある。
触覚による(有形で具体的な経験と関係がある) 感覚的な方法で触れる、取り扱う、実験することを望む、あるいはその必要がある。
他人から破壊的であると思われる可能性がある。
視覚による(見て認識したことと関係がある) 本の中の絵を楽しむ。
物事の目に見えるような解説を楽しむ。
人が話すのを見ていること、また人の話を聞くのが好きである。
絵や言葉の形や形態を探す。

$nbsp;
この見解はイングランドですべての保育実践者が従っている就学前教育基礎段階において強化されています。就学前教育基礎段階の原則の1つは、「個性的な子ども」であり、「原則を実践へ(Principles into Practice)」カードの1.1「個性的な子ども(A Unique Child)」では、「どの子どもも個性的な存在であり、独自の特徴と気性がある」という記述があります。

どの子どもも同じ発達段階をたどりますが、発達の速度は子どもによって異なります。この基本に基づくと、例えばすべての乳児が8カ月で支えなしで座ることができるという誤った判断に至ってしまいます。
確かに8カ月の子で座る子もいますが、実際には7カ月で座る子もいれば、9カ月で座るようになる子もいます。これは多くの要因に依存しています。こうした乳児はすべて、おそらくはまったく「正常に」発達していますが、その方法は一人一人異なる独自ものなのです。

重要用語
発達 - 子どもの成長の仕方、技術や能力の取得の仕方。発達の分野は身体、知能(または認知)、言語、社会的、感情的などに分類されることがあります。こうした分野すべてが相互に関連し、依存しています。

 
同じ家族の子どもでも異なった個別の人格を持っています。身体的な特徴も異なり、ある状況においては異なる反応をするものです。それぞれの強みや弱みにかかわらず、あなたが子どもを個人として尊重していることを子どもが分かっていることが重要です。

適切な実践のキーポイント
名前を呼ぶ

  • あなたがある子どもを他人の子ども、兄弟または姉妹と同じではなく、一個人として尊重していることを子どもに理解させる非常に良い方法は、その子の名前を呼ぶことです。名前を確実に正しく発音し、子どもの名前を書く際には、確実に正しく書くこと。

 

課題一覧へ戻る→