子どもの遊びを観察することの重要性

遊んでいる子どもを観察することがなぜ大切なのか

 
注意する際には観察しているものです。ご存知のとおり観察とは、見守って、研究して、調べるあるいは精査することを意味します。これは保育実践の一環としてあなたが毎日行うことでしょう。あなたは安全であることを確認するために、子どもを見守ります。
保護者に子どもがあなたと一緒に何をしていたのかを話すことができるよう、子どもを見守る。こうしたことはほぼ無意識に行うようになりますが、それはあなたがプロであり、子どもの保育をしているからです。しかし子どもを観察する必要のある理由は他にもあるのです。

子どもを観察し、見守る特定の時間を作ることは非常に有益で大切なことです。私たちは皆、時には正式な方法で、しかし多くは本能的に子どもが遊んでいるのを見守り、子どもを観察しています。
例えばある子どもが10ピースのジグゾーパズルを非常に速く完成させることができることに気付くかもしれません。これにより15ピースのパズルを導入する時期が来たことが分かります。おむつを交換しに行っても幼児のおむつが濡れていなければ、トイレトレーニングを考える時期に来ているのかもしれません。
こうした種類の観察は、子どもの発達と学習を刺激し、拡大するのに適切な遊びの活動を計画するのに役立ちます。観察は特別な強みまたは弱みを明らかにするのに役立ち、気がかりなことの原因があるかもしれないと考えている場合はおそらくその疑念が間違いないことを確認することにもなります。
子どもを見守ることから得られる情報は保護者に伝え、子どもの進歩や発達についての情報を最新の状態に維持しなければなりません。

考察
あなたの毎日の日課を見てみましょう。

  • 子どもを見守り、子どもの話に耳を傾けることができる特定の時間がありますか。
  • (その時間をそれほど長くとる必要はありません。長い時間を1回取るよりも、5~10分の短い時間で頻繁に観察するのが望ましいです。)
  • 保育する子ども一人一人に注目して、ある特定の技能や発達の側面を明らかにできますか。

後で参照するために簡単な走り書きができるように、ペンや鉛筆とノートまたは付箋を手元に置く習慣を付けておくのが好ましいです。

 

登録チャイルドマインダーの声
「チューターから子どもの観察をするよう勧められた時には、時間を見つけるのは無理だと思いましたが、やってみると、絶えず子どもを見ています。観察は今では常に行っています。」

観察と評価

観察していると、子どもがしたことを非常にざっくばらんに急いで記録したい時もあるでしょう。一方でもっと正式に、整理された方法で何かを記録したい時もあります。
子どもの情報の記録に利用できるやり方や手順はいくつかあります。どの方法も他のものより優れているというわけではありません。あなたが何を観察し、何を見出したいのかによって使い分けるとよいでしょう。

実践者の中には、観察を書き留めることで仕事量が増え、そのため子どもの保育がおろそかになると考えている人もいます。子どもを観察することを余分な仕事量だと考えず、子どもに対して可能な最良の世話を提供する中心的かつ基本的な部分であると考えることが非常に重要です。
子どもについて正確な情報があればあるほど、子どもに対してより適切で包括的な活動を提供できるようになり、その結果提供するサービスの質が向上するのです。

毎日の日課の中に、子どもを見守り、子どもの話に耳を傾ける時間を盛り込む必要があり、それによって子どもの進歩と発達に関する情報が得られます。このことにより、あなたが提供した活動を査定し評価する役にも立つでしょう。
観察をすることは、あなたが静かに監督している間に、子どもが自らの活動を選択して導くので、子どもに遊ぶ時間と場所を与えるという利点も加わるのです。

観察、評価と計画は、青少年人材開発評議会(CWDC)の子ども・青少年事業従事者レベル3免状の就学前必須課程(Early Years Mandatory Pathway)ユニットの「就学前における学習と発達を促進させる」でより詳細に取り上げている。

  1. あなたが子どもの学習、成長、発達の仕方を理解し、提供する活動を考慮に入れていることを示すことができる。
  2. 観察により情報が得られるので、活動が適切なレベルにあるのかどうか、また子どもが何らかの方法で学んだかどうか、または進歩したかどうかを確認することができる。これを評価と呼ぶ。
  3.  

    重要用語
    評価 - 何かについての情報に基づいた判断、または例えば、特定の技能の発達についての測定など。

     

    デイジーの語彙を広げる
    ナニーとして働くマリーは家族と住んでおり、9カ月の乳児と2歳10カ月のデイジーの保育をしています。デイジーはドレスアップするのが大好きで、お姫様、女王様や妖精に扮しています。マリーはデイジーが遊んでいる時の言葉に注意深く耳を傾け、ある意味で語彙が非常に限られていることに気付きました。
    マリーはデイジーの関心事に関連している本とDVDを図書館で探すことにしましたが、同時に新しい状況を導入し、語彙を広げることにしました。マリーは、デイジーを観察するという意識的な決断をしなかったなら、デイジーの語彙が限られていることに気付くことはなかったと考えました。

    • デイジーの限定的な語彙に対して考えられる理由を挙げられますか。
    • デイジーの語彙を広げるために、マリーは他に何ができますか。

     

  4. あなたが得る情報は、自身の知識や経験と共に、適切な包括的活動を計画するのに役立ちます。観察によって子どもの特定のニーズに気付きやすくなるかもしれません。そうすれば、その子どもに役立つ適切な活動を計画することができるでしょう。
  5. プロの保育者として、あなたにはやるべきことがたくさんあり、あなたは自分がすることはすべて確実に子どもにとってプラスになることを望んでいるでしょう。子どもと非常に密接に接している際には、提供している活動が本当にすべての子どものニーズを満たしているかどうかを判断することは難しくなることもあります。言い換えると、あなたがしていることを検討し、評価する必要があるということです。
    活動を検討し評価できる方法のひとつとして、遊んでいる子どもを観察することがあります。これはその後、落ち着いた時間に見ることができる証拠をあなたに提供し、その活動が本当にあなたが意図したことかどうかが判断できる材料となるのです。

 
子どものニーズに関する評価のうち、有意義なものについては客観的かつ公平でなければなりません。観察で収集した情報について、さまざまな角度から考える必要があるでしょう。

  • 用いた手順/フォーマットは必要な情報を提供したか。
  • 評価を行うための十分な証拠があるか。1回の観察で十分な情報が得られることはめったにない。
  • 目にし、耳にしたことすべてを記録したか、あるいはギャップがあったか。
  • あなたの情報は憶測や推測に基づくことなく、正確で事実に基づいたものか。あなたが起きたと思ったことではなく、実際に起きたことを書き留めたか。
  • 証拠から健全な結論を引き出すことができるか、または更なる観察をすることを必要とするか。
  • こうした情報を誰と共有する必要があるか、またその理由は何か。

評価の理由は、特定の年齢の子どもにレッテルを貼ることではなく、その子どものニーズを最大限に満たし、子どもが進歩し達成するのを助ける方法についてあなたを支援することにあります。ある子どもを別の子どもと比較してはなりません。なぜならばどの子どもも個別の存在であり、それぞれの速度で発達し進歩するからです。

あなたが実施する観察はすべて、あなたが行った評価から得た子どもの個別のニーズについて本質的かつ有益な情報を与えてくれます。こうした評価によって、あなたが提供したり、提供しようと計画したりする活動や経験について情報に基づいた決断が可能となるのです。

子どもと達成したいこと、あなたと子どもの家族が子どもにできるようになって欲しいこと、またどのような目標に向かって努力するのかについては、あなたが判断する必要があります。こうしたことは、新しい技能や新たな行動の仕方であり、また評価結果と関連付けなければならなりません。
その後、こうした目標をどのように達成するのかを判断する必要もあります。これがあなたの戦略または計画となります。子どものニーズを満たすために、それぞれの子どもに実際に割くことができる時間はどのくらいか、また日課をどのように変更しなければならないのかについても考える必要があるでしょう。

保育する子どもと何をするのか検討することは大切です。その結果あなたが当初計画したこととはまったく違ってしまうかもしれません。しかしあなたのアプローチを柔軟にすることで、個別のニーズや関心を考慮に入れることができます。
例えば季節のコラージュを作るため、自然の素材を収集する計画を立てていたところ、ある子どもが丸太の下でダンゴムシを発見したことで、皆が小さな虫をもっと見つけることに夢中になる、といったことです。

計画は変更しなければならないかもしれませんが、それよりも子どもを評価し、監視することが大切です。以下について考えてみましょう。

  • ある事柄が他の事柄よりもうまく行くのはなぜか。
  • あなたがやり方を変えられたことと、その理由はなにか。
  • あなたが利用したリソースとそれらが適切であったかどうか。
重要用語
監視 - あることを確認する、あるいは注意して見ること。

 

ジャーラーの発達を手助けする
アメーラは7カ月のジャーラーが仰向けからうつ伏せに寝返りをうとうとしているものの、あまりうまくいっていないことに気付きました(アメーラの観察)。アメーラは、ジャーラーの手がもう少しで届きそうな所に面白い玩具や物を置けば、ジャーラーの寝返りを促せると考えました(アメーラの計画)。アメーラはジャーラーが何度か物に手を延ばそうとした後、ついに寝返りをしたことを観察しました。アメーラはジャーラーがしたことをノートにメモし、メモしながらジャーラーのニーズに関連して遊びの活動を提供したことを認識することができました。

  • アメーラは他にどのようなことをすればジャーラーの発達を刺激できたでしょうか。
  • 子どもの観察に対応して、遊びの活動をどのように変えることができるのかを考えてみましょう。もしかしたら無意識で行ったことなので、観察を書き留めなかったことがあるかもしれません。しかし重要な発達目安を観察したら記録するくせをつけるのは良いことです。

 
 

評価への課題

評価基準5.3

遊んでいる様子を観察することによって子どものどのような点を学ぶことができるか説明する。
【保育・教育顕彰評議会タスク7】

説明とは、情報を明確かつ平易な言葉にして、保育の仕事をしていない人も理解できるようにすることである。

観察は非常に大切であり、保護者と情報を共有する効果的な方法である。どのように子どもを観察し、得られた情報を使って何をするのかを書く。なぜ子どもを観察し、何を学ぶことを期待しているのかを他人にどのように説明できるのか考えてみる。こうしたことを、子どもの学習と発達における遊びの重要性と関連付ける。

この基準は、あなたの評価者と専門的な議論をすることによっても満たすことができる。

 

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