契約の重要性

契約の重要性

 

契約とは二者間の合意で、この場合は保育者と保護者との合意を意味します。これは法的文書です。
契約は保育者の責任と保護者の責任を極力明確にするものでなければなりません。曖昧さ、すなわち誤解されるおそれのある語句があってはなりません。
保育者と家族との間で交わす合意は子どもの保育と福祉・福利に関することです。これが契約を締結する最も重要な理由なのです。

 

重要用語
契約 - 子どもの保育に関することなど、具体的な条件を定める合意文書

 

いかなる状況においても、契約を結ばずに子どもを引き受けることは絶対に避けるべきです。これは職業倫理に反するだけでなく、保険を適用することもできず、違法行為となるおそれもあります。

NCMAの提言
全英チャイルドマインダー協会(NCMA)所定の契約書を使用することをお勧めします。この契約書は英国法廷で検証済みで、英国での規制上の要件を満たしています。
※日本では日本チャイルドマインダー協会推奨のインディペンデントチャイルドマインダーのマークの入った専用の契約書を使用することをお勧めします。

 

すべての活動チャイルドマインダーは、関係する各家族について契約書を手書き、またはコンピューターで作成しなければなりません。
全英チャイルドマインダー協会は、包括的な契約書を作成し、記入方法について指針で明確に説明しています。全英チャイルドマインダー協会所定の契約書は保育者の保管用、保護者用および関係機関提出用の3部で構成されています。
(日本チャイルドマインダー協会推奨の契約書についても保育者の保管用、保護者用および関係機関提出用の3部で構成されています。)
契約書は両当事者が署名し、日付を記入しなければならない。特に状況が変わったときなどを含め、契約は定期的に見直さなければなりません。
例えば、週3日の保育について契約を締結していたが、子どもの母親が勤務時間を増やし、週5日の保育を要請したとします。この場合、新しい状況を反映した契約書を新たに作成する必要があります。
子どもを保育する日数や時間、また保育期間に関係なく、たとえ1日だけ、1週間あるいは当面の間だけの保育であっても、契約に合意し、署名し、日付を記入しなければならなりません。
 

なぜ保育者と保護者に契約が必要なのか

 

  • 保護者と文書による契約を交わすことは、高い職業意識を持って、実務的に保育業務を行うための手段となります。それはあなたの専門家としての意識の高さと事業の運営方法について保護者に好印象を与えるはずです。
  • 契約によって、保育者が何を行う意向か、保護者に何を期待するかが明確になり、誤解を防ぐ。
  • 契約はすべて、家族と子どもの個人的なニーズを考慮して、個々の家族に合わせて個別に作成する。しかし同時に契約には料金の詳細、送迎時間、休日など、すべての家族に適用される標準条項を定めることができる。
  • 両当事者が署名し、日付を記入した契約書は法的拘束力を有する。後に問題が発生した場合、これが極めて重要となることがあります。

子どもを引き受けることを了承する前に、時間を作って保護者と契約について話し合わなければなりません。必要に応じて契約の各条項を説明し、保護者が契約のすべての側面に全面的に合意していることを確認しましょう。
保育者か保育する他の子どものいずれかに悪影響を及ぼすおそれのある内容に合意せざるを得ない状況に追い込まれないようにします。保育者がそうした方法で文書による契約を交わす理由を、断固とした態度でコミュニケーションスキルを使って保護者に説明します。
契約のいずれかの条項に違反した場合はどうなるかを保育者と保護者の双方が明確に理解していることを確認します。

ケーススタディ:契約違反
登録チャイルドマインダーとして活躍するマイクは、自分自身の乳児と一緒にリアムとケリーという2人の子どもを保育している。彼が2人の保護者それぞれと結んだ契約には、保育料は週単位で保育の最終日に支払うことが明確に定められている。保育料の支払日は木曜日の朝と決めてあった。

リアムの父親は、最初の6週間は現金ないし小切手で保育料の支払いをした。しかしその小切手は銀行で換金を拒否されてしまい、その小切手を保護者に返さざるを得なかった。その保護者は非常に申し訳なさそうに謝罪し、翌週に小切手の代わりとして現金を彼に渡した。
しかしその翌週、リアムの父は再び小切手での保育料の支払いを申し出たうえ「今度は小切手帳を忘れた」と言ってきた。
さらにその翌週には祖母が子どもを送ってきて、リアムの父は忙しいので私が代わりに連れてきた、また自分は支払いについては無関係だと言った。

マイクは、難しい状況になったと感じた。特に彼の妻は、リアムの父が彼の善意につけ込んでいると考えていた。
彼のチャイルドマインディングはビジネスであり、慈善活動ではないと。保護者が契約に違反したため、何らかの措置を講じなければならないことはわかっていた。

マイクは保護者に電話して、この問題について話し合いたいのでいつもより数分早く来てもらえないかと頼んだが、リアムの父はこの約束を守らなかった。
マイクは、未払い保育料を支払わなければ、子どもを保育することはできないと1週間前に書面で通告することになった。
その結果、リアムの祖母が保育料の未払い分を現金で持参し、今後は息子がリアムの世話をすることに決めたことを伝えた。

マイクは、この家族との関係があまり良好ではなかったことを残念に思ったが、無料のチャイルドマインディングサービスを提供することはできないとの認識を持っていた。
加えて今回の経験で、積極的に行動することは懸念やストレスを軽減させることもわかった。

  • あなたの考えでは、マイクは正しいことをしたと思いますか。
  • マイクにできることが他にありましたか。またあるとしたら、それはどのようなことですか。

 

計画部の許可

 
ウェールズでは、チャイルドマインダーが、地方自治体から許可を得る必要がないことを確認するよう義務づけている地方自治体があります。
これは保育者の事業が周辺地域、近隣地域に与える影響を評価している場合が多く、これにより駐車場、アクセスおよび交通量増加の可能性といった問題が検討されます。
居住する地域の自治体は、計画上の問題と事業を始める前の事前許可が必要かどうかについて助言を行っています。イングランドでは開業の前に、所属する地方自治体から地域の状況を確認することが望ましいです。(日本では在宅保育、認可外保育施設の開設について、設置後1か月以内の自治体への届出が義務付けられています。)
家庭的保育者になることは、厳しい責任を伴う専門的な事業に取り組むことである。労働時間が終われば仕事から解放される一般的な職業とは異なり、厳しい誓約が要求されます。
しかしそれだけに、非常にやりがいがあり、満足感が得られる仕事でもあるのです。
したがってチャイルドマインダーとして働きたい、という気持ちを先延ばしせず、資格を取得し、可能な限りの訓練を受け、私たちの最も貴重な財産である子どもに関わる仕事を始めましょう。

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